デザインの仕事をやっているとクライアントから「データください!」と簡単に言われることがあります。
皆さんはどのように対処していますか?
今回は私がどう対処しているかをご紹介したいと思います。
デザインデータは渡すべきではない
まず、大前提としてデザインデータは渡すべきではないということを理解しておくべきです。
デザインデータ譲渡の契約を結ばずに、無償でデータを渡すとどうなるのか。
クライアントはもらったデザインデータから別のパンフレットやポスターや看板といった、さまざまなツールに流用することができます。しかも無料で。
もともとは「チラシをつくる」という依頼で費用もその分しかもらっていないのに、他のツールをタダで作られるという、恐ろしい事態になりかねません。
また、知らないところで流用され、思わぬ改変が加えられると、デザインの品質は確実に下がります。
そして、著作権の問題もあります。
「デザイン料を払っているんだからデザインの著作権もこちらのもの」と考えているクライアントが多いのは事実ですが、これは間違い。
なぜなら、データは制作物なのでデザイン料を払っていても、特に契約書や覚書が無くても、デザインの著作権は制作者側であるデザイナーにあるからです。
色んな業種に置き換えて考えてみた
自社で増刷してばら撒きたいからデザインデータちょうだい。
ネット通販で安く印刷するからデザインデータちょうだい。
この部分だけ切り取って使いたいからデザインデータちょうだい。
デザイン業界では、悲しいことにまだまだよくあるこんな事例…。
他の業種に置き換えてみます▷▷
お客さん
自宅でも作りたいから、レシピ教えて。
お客さん
安いサロンで同じように施術してもらいたいから、動画に撮らせて。
お客さん
友達の髪も同じカラーにしてあげたいから、カラー剤ちょうだい。
同じ内容なのに、こんな要望をする人はいませんよね。
簡単にできる作業でも、デザインの更新や増刷という仕事もデザイナーにとっては貴重な収入源です。
どんな業種も、経験・技術・企画・アイデア・ノウハウ・企業秘密などが合わさった貴重な作品であり財産です。
いくらお金を払うと言われても、データは制作物なので特に契約書や覚書が無くても制作者に著作権があるので、本来は堂々と「お渡しできません」と言っていいのです。
プロとしての対処法
そういう私も、デザインデータ譲渡の相場が分からず、格安で渡してしまい、流用までされたことがあります。無償で渡してしまったことも…。
このような事例が多いにも関わらず、著作権の存在や権利の譲渡についてきちんと理解し、デザインのプロの立場から十分な説明を行い理解してもらう努力をしていなかったことが問題です。
プロとしてデザイナーをやっている以上、デザイナー側がしっかりと説明をしなければなりません。
本当の意味での対策は、「データの譲渡はできないこと」「どうしても譲渡が必要なら有償であること」などを事前に伝えておくことですね。
その際に費用も提示できるとさらにいいです。
データを渡す場合はデザイン料とは別に、データ譲渡の費用を請求し著作権を買い取ってもらうのが正しい方法です。
相場はデザイン料と同等の金額かそれ以上。
ただし、先程も言ったようにデザインデータは、経験・技術・企画・アイデア・ノウハウ・企業秘密などが合わさった貴重な作品であり財産ということをしっかりと理解しておきましょう。
実際、私が取っている対策としては、「契約書」の作成です。
フリーランスになる前に準備しておくべきでした〜〜〜!
著作権についてをしっかりと調べ、最終的に弁護士さんに見てもらう。
日々の業務をこなしながらだと難しいですよね…。
手間ではありますが、一生身を守るためのものです。
産休に入っている間にしっかりとしたものを準備して、完成したら公開します!
皆さんの貴重な財産がしっかりと守られますように。
最後までお読みいただきありがとうございます!